キュア・アップ、国内初の禁煙治療用アプリを薬事申請 治験結果も発表

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2019年5月30日、複数の治療用アプリの研究開発を進めているキュア・アップが、先ごろ治験を終えた禁煙治療用アプリの薬事申請を行なったことを発表した。またその治験の結果について、米国の学会で発表した内容も報告。対照群と比較して有意に良好な結果が得られたとし、薬事承認に自信をみせた。

全症例572例、9-24週の継続禁煙率63.9%

キュア・アップの禁煙治療アプリ(Webサイトより)
キュア・アップの禁煙治療アプリ(Webサイトより)

今回結果が発表された治験は、禁煙外来を受診するニコチン依存症患者を対象とし、標準禁煙治療プログラムに加えてニコチン依存症治療⽤アプリを併⽤した際の有効性・安全性に関する多施設共同、無作為化、前向き2群⽐較対照介⼊試験。標準禁煙治療プログラムに加えて、治験治療群では、同社のニコチン依存症治療⽤アプリ(患者⽤スマートフォンアプリケーション及び、医師⽤Web アプリケーション、患者⽤ポータブルCOチェッカー)、対照群には他社機器がいずれも24 週間使⽤された。

治験に参加したのは584例だが解析対象となったのは572例。そのうち285例がニコチン依存症治療⽤アプリを使⽤する治験治療群、287例が対照群アプリを使⽤する対照群に割り振られた。主要評価項⽬は「9-24 週における継続禁煙率(CAR:Continuous AbstinenceRate)」として検証した。

その結果、主要評価項⽬である「9-24 週における継続禁煙率」は治験治療群が63.9%(182/285 例)、対照群が50.5%(145/287 例)となった。治験治療群は対照群に対して13.4%⾼く、統計学的な有意差を⽰した(95%CI:1.239〜2.424、p=0.001)。ニコチン依存症治療⽤アプリが禁煙の継続に寄与したことが⽰されたとし、同社はこの治験結果をもって、すでに医薬品医療機器総合機構(PMDA)に薬事承認を申請した。2020年2月~3月をめどにその後の保険適用を目指すという。

今回の治験結果、薬事申請について、キュア・アップ代表取締役で呼吸器内科医の佐⽵晃太氏は「従来の禁煙治療では、受診から次の受診までの間、患者さまのニコチンの⼼理的依存に介⼊することが難しいという課題があった。治療空⽩を埋めることのできるニコチン依存症治療⽤アプリを、できるだけ早くより多くの患者さまへお届けしたい」と述べている。

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