オンライン診療アプリなどを展開するインテグリティ・ヘルスケア(東京都)は、来院を前提としない分散型臨床試験(Decentralized Clinical Trials = DCT)の支援事業を柱とする子会社を設立したと発表した。同社会長が理事長を務める医療法人社団が持つネットワークと知見も活かし、コロナ収束後も拡大が予想されるDCT市場への食い込みを狙う。
新会社「DCT JAPAN」でノウハウを集め事業を加速
同社が設立したのは「DCT JAPAN」。コロナ禍を機に、日本でも来院に依存せず、訪問診療/訪問看護の枠組みの中で試験に参加するDCTのニーズが急速に高まっている。被験者の居宅やその入所施設などで行う臨床試験は、来院できない人が試験に参加できないという課題を解決し、そのために試験をデザインしづらかった希少疾患や難病、感染症の臨床試験を可能にする枠組みとして、コロナ後においても拡大すると予測されている。同社代表取締役会長の武藤真祐氏が理事長を務める医療法人社団 鉄祐会は、訪問診療に対応する60名以上の専門医に加え訪問看護ステーションのネットワークを持っており、これらのリソースを活用して希少疾患や癌、感染症といった領域を中心にこれまで20治験以上のDCT実績があるという。
今回、同社は鉄祐会の持つこうした知見と、自社で展開する疾患管理システム YaDoc(ヤードック)、オンライン診療システム YaDoc Quick(ヤードック クイック)のシステムを連携し、DCT支援を事業の柱とする新会社を設立することで、DCT支援の枠組みを強化する。