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運転技能向上トレーニング・アプリを開発、6週間での効果を実証 東北大学

NEWS免許返上, 医療ICT, 医療IT, 自動車運転, 認知症

 
東北大学らが発表した運転技能トレーニングアプリの概要
東北大学らが発表した運転技能トレーニングアプリの概要

東北大学加齢医学研究所の野内類准教授と川島隆太教授を中心とする研究グループは、自宅のテレビで実施できる運転技能向上トレーニング・アプリを開発したと発表した。従来の認知能力向上を目的とする他のアプリを対照群とした無作為比較対照試験も行い、自動車運転技能と認知力などが対照群よりも向上したとしている。

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6週間のトレーニング後、運転技能検査と認知機能検査の得点が有意に向上

昨今大きな報道が相次いでいる通り、高齢者による自動車事故の防止が社会問題とされつつある。多くの場合は認知能力の低下が原因といわれ、そのスクリーニングのため70歳以上の場合は高齢者講習、75歳以上はそれに加えさらに認知機能検査の受検が免許更新の要件とされている。しかし現状は、高齢者の運転技能、認知能力の低下を確認し、基準を下回れば排除するという観点の施策であり、各能力の維持向上を図るための施策やツールは乏しいという状態だ。

これまで、脳トレゲーム、音読・計算トレーニング、処理速度ゲーム等を実施することで高齢者の認知機能が向上することを明らかにしてきた、東北大学加齢医学研究所の野内類准教授と川島隆太教授を中心とする研究グループは今回、この課題解決の回答となり得る成果を発表した。具体的には、自宅のテレビで実施できる運転技能の向上を目指した数種類のトレーニング・アプリを開発。この効果を検証するため、同様の目的を持つ他のアプリを対照群とする、無作為比較対照試験(30人対30人、6週間)を行った。

東北大学らが発表した運転技能トレーニングアプリの概要
東北大学らが発表した運転技能トレーニングアプリの概要

検証したアプリは3つで、以下のような概要のゲームとなる。

図B)素早く状況を判断するゲーム。標識に書かれた数字を見て、数の大きい数字をできるだけ早く選択する。数字だけでなく、数式(4+6 など)がでることもある。

図C)2 つの事柄に注意し続けるゲーム。中央下の白い円の上を音符マークが周っているので、円上部の中央にあるマークに隠れた瞬間にボタンを押す。さらに、道路から人か物(ゴミ箱など)がでてくるので、人の場合には出てきたらボタンを押す(物の場合はボタンを押さない)。

図D)移動する物体の動きを予測するゲーム。左から移動してくる車両や人などがブロック塀から出てくる直前にボタンを押す。

対照群のゲームは「数の大きい数字を選択するゲーム」「5つの数字の中で大きい数値を順に選んでいくゲーム」「画面左にあるじゃんけんの手に負ける手を選ぶゲーム」の3つで、それぞれ30人が1日20分を1週5日以上、6週間連続で行い続けた。その前後に運転技能検査、認知機能検査、心理アンケートを行い、変化量をみることで効果検証した。

運転技能向上アプリ群と対照アプリ群の介入による変化量
運転技能向上アプリ群と対照アプリ群の介入による変化量

その結果、どちらの群も向上が見られたが、研究チームが開発したアプリ群の方が有意に変化量が大きく、効果が高いことが明らかになった。研究チームは、自宅のテレビで実施できる認知トレーニングは、高齢者であっても取り組みやすく、今後の高齢者の運転技能の維持・向上ためのツールや高齢者の交通事故などの減少を目指した取り組みとして応用が期待できるとしている。なお研究の成果は、2019 年5月7日発行のFrontiers in Aging Neuroscience 誌(Impact Factor = 3.582)に掲載された。

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