電子立国エストニア、国民の11%超のDNAをデータベースに収蔵へ
世界最先端の電子立国として知られるエストニアが、国民全人口の11%強のDNAを収蔵するデータベースの構築を進めている。このほど国立ゲノムセンターの広報官が明らかにした。
すでに52,000人のDNAを収集済
エストニアでは2001年に国立ゲノムセンターが設立され、これまでに52,000人超の国民のDNAを収集できているという。収蔵数を増やすため、世界初となる国家主導の遺伝子検査および情報サービスを立ち上げたという。500万ユーロの予算をかけ、100万人のボランティアに対し遺伝子解析を行い、解析結果を発行することを目的としたアプローチを行っている。
具体的には、スポーツイベントなどでDNAドナーを募集するテントを開設し、DNAサンプルを提供できる機会を提供する。その際、提供者はどの程度の情報を受け取りたいかを選ぶことができる。サンプルは参加施設や研究所に送られ、解析結果は医師から提供される。
国立ゲノムセンター広報官のアネリー・アライク氏は、「遺伝子のデータが多いほど科学研究における精度が高く、病気に関連する遺伝子変異をより早く発見することができる」と語っている。なお解析結果を受け取る提供者が、第三者のデータにアクセスできないようにするため、そのデータで家系を追跡することがないよう通知されている。
国立ゲノムセンターでは、この事業を通じてトータル15万人以上、エストニア全人口の11.7%にあたる数のDNAを収蔵したいとしている。