GMOインターネット、ブロックチェーンを組込んだ医療情報共有システムをオープンソースで公開
2017年7月20日、GMOインターネットは、ブロックチェーンを利用したプログラムをオープンソースとして公開する「GMOブロックチェーン オープンソース提供プロジェクトを立ち上げ、その取り組みの第1弾として、同日より「医療機関カルテ共有システム」のオープンソースの提供を開始した。
自社提供のブロックチェーンサービス上で動作するアプリケーションとして提供、商用利用も可能
ブロックチェーンは分散型台帳技術とも呼ばれ、データを複数の端末に分散して記録・保持する技術。「改ざんできない」「消えない」「停止しない(ゼロダウンタイム)」システムを低コストで実現できることから、近年大きな注目が集まっている。GMOインターネットでは従来より、ブロックチェーン上に簡単に分散型アプリケーションを構築できる「Z.com Cloudブロックチェーン」および「ConoHaブロックチェーン」のβ版を提供開始しているが、今回その利用を促進するため、この環境上で動作するオープンソースのアプリケーションを提供するプロジェクトを開始した。
提供を開始した「医療機関カルテ共有システム」はオープンソースで基礎的な機能の実装に留まっているが、ライセンスのもとで、より業務に活用できそうなプログラムへ拡張し、運用することも可能だ。公開されているソースの特徴としては患者に情報のアクセスコントロールの権限がある点。このシステムに登録すると、患者と医師、病院それぞれに鍵が生成され、患者が主体的に、特定の医療機関、医師に自分の情報を閲覧、更新できる権限を与えることができる。医師はその権限付与があって初めて情報を閲覧、追加ができるようになる。この仕様はブロックチェーン技術の利点を活かし、またこれから政府が推し進めようとする、パーソナル・データ・ストア構想(PDS、情報銀行)の主旨にも沿ったものだ。今後各ベンダーより同様なサービスの展開が予想されるが、オープンソースでその先鞭をつけたことは、今後のPDS普及にとって一定の影響を与えるとみられる。