電子お薬手帳の基盤活用し、予防接種履歴を管理 川崎市で社会実験

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シミックホールディングスと慶應義塾大学は、同社が展開する電子お薬手帳「harmo(ハルモ)」の基盤を活用し、適切な予防接種管理の推進を目指す共同研究を行うと発表した。川崎市都市部の乳幼児と母親を対象に、同社のシステムに予防接種情報を登録し、主治医と共有する社会実験を行う。

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接種情報登録・共有で「接種間隔の間違い」低減目指す

近年、複数のワクチンが定期接種として接種可能となり公衆衛生が向上する一方で、ワクチンの種類によって接種可能年齢(月齢)や接種間隔および回数等が異なるため、接種回数・間隔の誤認に加え、期限切れワクチンの使用など予防接種に関する間違い(誤接種)の増加が報告されている※1。特に生後2か月から11か月までの乳児期においては予防接種の回数が増加※2しスケジュールが複雑化したこともあり、誤接種の抑止につながる対策が求められている。

今回両者が共同研究として取り組むのは、ICカードを活用した電子お薬手帳システム「harmo(ハルモ)」を活用し、予防接種を行った際に情報登録を行い、適切な予防摂取管理を行えるか検証する社会実験。研究では、医師が予防接種を行う前に各注射剤の箱の「GS1コード」をバーコードリーダーで読み込み、harmoのシステムが、過去の記録に基づき適切な接種間隔・回数・薬剤量、ワクチンの使用期限などをチェックする。チェック結果はモニターに表示され、接種可否に関する医師の判断をサポートする。厚生労働省のまとめ※3によると、予防接種過誤の半数以上が「接種間隔の間違い」と報告されていることから、このシステムを活用することで、「接種間隔の間違い」「ワクチンの間違い」「期限切れワクチンの使用」などの約 50%~70%の低減を目指すという。研究実施期間はこの6月1日から2023年3月31日までで、対象者は川崎市川崎区在住の生後2か月以降、ワクチン未接種の乳児。

※1出典:平成29年10月24日 厚生労働省健康局健康課「予防接種の間違いの防止について」
※2出典:日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュールの変更点 2020年1月 日本小児科学会
※3出典:第32回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会 資料5. 2019年8月7日