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体内埋め込み型医療機器の不具合情報、国際的データベースに

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世界各国のジャーナリストが個人の立場で参加する調査報道組織が、これまで共有されてこなかった医療機器の不具合情報(リコールや安全上の警告など)を集積したデータベースの作成を行い、2018年11月26日よりWeb上での公開を開始した。明らかになった情報で、すでに幾つかの企業の不具合報告について懸念が明らかになっている。

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36カ国59の報道機関が800万件以上の情報を収集

(ICIJのWebサイトより)現在掲載されている不具合情報の国

データベースを公開したのは、国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)。昨年、租税回避地(タックス・ヘイブン)から流出した法人や組合に関する1340万件、1.4テラバイトにおよぶ電子ファイル群「パラダイス文書」の公開を行ったジャーナリストの国際的組織だ。

医療機器は多くの国において同じ機器が販売されているが、国際的に統一管理する仕組みがなく、いずれかの国でリコールや注意喚起といった不具合情報が公表されても、同じ機器が販売されている他国では共有されることが少ない。監視体制やその基準が違うことも要因として挙げられるが、実例としてアメリカでリコールされた製品が、他国で情報が共有されずそのまま販売され続けるということもある。

ICIJはこの問題を解決するため、36か国、59の報道機関に属する250人以上の記者と連携し、医療機器の安全性に関する情報を世界規模で集積する初めての調査を1年かけて行った。日本からはNHK、朝日新聞、共同通信の記者が参加しているという(しかし現時点では日本の情報は入っていない)。調査では各国のべ1,500件以上の情報公開請求を行い、計800万件あまりの情報を集め、公開した。

ICIJでは公開にあたり、これらの情報を分析した結果も報じた。それによるとアメリカだけで不具合等が原因で負傷した人が約170万人、死亡したと疑われる例は約8万3,000人に上ることが判明したとしている。また同じ10年間で、アメリカでは26,700もの機器がリコールされたが、インドではたった14事例だけであったことも明かした。現在集積した情報は11カ国のみだが、今後日本を含め対象国を増やしていくという。

公開された情報で日本未公表の深刻事例が明らかに

ICIJが公開したデータベースはダウンロードもでき、メーカーや情報の種類(リコールか警告等かなど)で検索することもできる。これらの公開によって、日本で未公表だった医療機器の不具合事例が明らかにされている。

日本でも多くの機器が販売されている世界最大規模の医療機器メーカー、米メドトロニック(Medtronic)の埋め込み型医療機器について、ICIJはアメリカだけで最大9,300人の死亡と、29万2,000人の負傷に関わっている疑いがあると報告した。アメリカでの規制当局であるFDA(アメリカ食品医薬品局)では、販売量が莫大なためその数も多くなっているとしたが、ICIJでは不具合の発生確率は競合他社の2倍だと指摘している。

またオリンパスの内視鏡機器に関しても深刻事例が浮上している。2010年からアメリカ、欧州向けに販売された十二指腸内視鏡(日本未発売)の先端部が洗浄しづらい構造だと当局に指摘され、現地法人が2013年1月に注意喚起を行ったが、2015年にかけてアメリカ、オランダ、フランス、ドイツの17医療施設190人以上が薬剤耐性菌に感染していたことが判明した。注意喚起後の感染者数は10数人で、対応するための特殊な洗浄ブラシの提供などで安全対策が取られているものの、死者も複数出ていると報道されている。アメリカ国内では数十人レベルでの死亡例があると報道されており、遺族らから約50件の損害賠償訴訟を起こされ、係争中であることも明らかになった。

さらに、係争中の裁判において、2013年1月の注意喚起に関し相談を受けた東京本社幹部が、現地法人あてに積極的に知らせる必要はない、と伝えたメールが証拠として提出されたこともICIJの調査によって判明した。当時、FDAは迅速な報告を怠ったとして現地法人に警告している。

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