iHeart JapanがAMEDの再生医療シーズ開発加速支援事業に採択
iPS細胞を心臓の再生医療へ応用する技術開発を行っているiHeart Japan(京都市)は、2018年9月10日、AMED(日本医療研究開発機構)の「平成30年度 再生医療の産業化に向けた評価基盤技術開発事業(再生医療シーズ開発加速支援)」に採択されたことを発表した。支援を得て、治験開始に向けての研究開発を加速させる。
拡張型心筋症に対する有効な治療法確立を目指す
2013年設立のiHeart Japanは、京都大学iPS研究所の山下潤教授が開発した、iPS細胞心血細胞や心筋細胞へと分化誘導させる技術をベースに、拡張型心筋症などの重症心不全の治療に有効であると期待されている「ヒトiPS 細胞由来心血管系細胞多層体」の開発を進めている。今回のAMEDの事業には、この細胞多層体の治験開始を目指す最終段階の研究開発という研究課題で応募し、採択された。
同社が開発に取り組み、製法などで特許も取得しているこの細胞多層体は、心筋細胞に血管の細胞などを混ぜた薄膜を積層した組織。心臓に貼り付け、組織が分泌するたんぱく質(サイトカインなど)が心機能を回復させる。組織内の血管に血液循環が起こり長期間生着するため効果が高いとされ、国内に約28,000人の患者がいるとされる拡張型心筋症への有効な治療法になりうると期待されている。