日本救急医学会、医療者も使える「スマートフォン用熱中症診断支援アプリケーション」公開
日本救急医学会は、熱中症予防啓発の取り組みの一環として、重症度予測スコアに基づいて熱中症重症度を判定するスマートフォン向けアプリケーションを開発した。医療従事者向けだけでなく、バイタルサインを測定できない一般向けにも判定ができる設問フローを搭載しており、学会では熱中症が増加するこれからの季節に向け、広く活用してもらいたいとしている。
「J-ERATO Score」による判定機能をアルムの「Join Triage」に搭載
学会が今回開発したのは、熱中症の重症度予測指標であるJ-ERATO Score(Hayashida et al: PLoS One. 2018)をベースとする判定機能。アルムが提供する救急搬送トリアージアプリ「JoinTriage」に組み込む形で実装した。メールアドレスでアカウント登録すれば無料で利用できる。
今回の機能では、熱中症が疑われる対象者の年齢、性別、障害の有無、血圧、脈拍、呼吸数などを入力することで、重症度を示す0−6までのスコアを判定する。判定後は、搬送先となりうる近隣の医療機関のリストが表示でき、医療機関までの道順なども表示するなど、対象者を適切に搬送できるようガイダンスする。バイタルを測定できない一般市民向けにも、症状を入力することで簡便にスコア判定ができるようになっており、応急処置を指導するコンテンツも実装されている。
学会では医療従事者だけでなく、スポーツクラブのコーチ、屋外作業の監督者、学校の養護教諭、介護施設職員などにも広く活用してもらいたいとしている。アプリは以下よりダウンロード可能だ。