日本整形外科学会の症例登録レジストリー「JOANR」運用開始

 

日本整形外科学会は、会員向けの「日本整形外科学会症例レジストリー」を開発し、2020年4月からの本格運用を視野に試験運用を開始していると発表した。これまで全国規模の包括的なレジストリはなく、整形外科分野では初の取り組みとなる。

略称「JONAR」

正式名称は「日本整形外科学会症例レジストリー(Japanese Orthopaedic Association National Registry (以下JOANR))」。同学会によると、運動器疾患の手術件数は年間120万件を超えており、高齢化社会の影響を受けて年々増加の一途を辿っている。しかしながら、特定の手術(人工関節置換術や関節鏡視下手術など)に関するレジストリーは存在するものの、これまで全国規模の包括的なレジストリーが存在せず、その全容は明らかではなかったという。
 この状況に対し約25,000名の整形外科医を会員とする同学会では、運動器疾患への手術治療に関するビッグデータに基づいたエビデンス構築を目的に、大規模運動器疾患レジストリーシステムであるJOANRを構築した。同システムに登録された医療情報を分析することによって医療の質の向上を図り、国民に対する良質な医療の提供・適正な医療レベルの維持・医療経済の最適化を目指す。収集されたデータは、手術治療の効果や安全性の評価、治療を行う医療機関の特徴の分析、特定の手術の予後情報、専門医の認定などに活用する。

なおシステム開発は、オンラインでのセカンドオピニオンサービスなどを運営するリーズンホワイが受託している。