電子薬歴のカケハシが約9億円の資金調達、人員増員と開発体制を強化

2018年5月14日、電子薬歴システムを提供するカケハシは、7社から約9億円の資金調達を行ったと発表した。調達した資金はカスタマーサポートやエンジニアの人員増加に充て、好調な業績をさらに上昇気流に乗せたい考えだ。

服薬指導と薬歴記載が同時にできる電子薬歴システム「Musubi」が好調

カケハシの提供する電子薬歴システム「Musubi」は、単に薬歴入力を電子化しているだけでなく、薬剤師が患者にこのシステムを使って服薬指導すれば、その内容が自動で薬歴としてシステムに記録されるという特徴を持つ。数時間かかるとされる薬歴入力を圧倒的に省力化し、さらに、患者の疾患・年齢・性別・アレルギー・生活習慣・検査値、さらには季節や、 過去処方や過去薬歴 を参照して、ひとりひとりの患者に最適な指導内容を薬剤師に提示する。

省力化のみならず、服薬指導の質を高める支援を行うこのシステムは多くの引き合いを受けた。2017年8月にリリースして以来約8カ月で、全国の薬局約6万店舗の13%にあたる合計8,000店舗を超える薬局から問い合わせがあり、その中でデモをしたうち6割の店舗が導入したという。そのためすでに月商ベースで4,000万程度の売上を確保できており、社内体制強化を通じ、さらなる上積みを狙っての資金調達となった。

「仲間を増やしたい」

カケハシは今回の資金調達により、Musubiの更なる機能拡充と新規事業を見据えた組織基盤強化、エンジニア採用による開発体制強化などを行う。また、導入支援・カスタマーサポート体制の強化、営業提携の加速と社内営業体制の強化を実施することで、より高品質なサービス提供の実現を目指すとした。カケハシ代表取締役の中尾豊氏は、Med IT Techの取材に対し「医療業界で高次元での問題解決をしていく仲間を増やし、患者さんや現場の医療従事者への価値提供に更に強化していく」と述べた。