京都市は今年度、京都大学と共同で、市が持つレセプト、健診結果等を統合したデータを分析し、肺がんと生活習慣病についてその予防・治療・介護の実態を明らかにする事業を進めると発表した。事業には製薬会社など4社が協力、「産学公」で市民の健康寿命延伸に活かせるエビデンスの収集を目指す。
「肺がん」と「生活習慣病」の実態解明を目指す
京都市が、自治体が持つ医療介護関連のデータを積極的に活用し、具体的な疾患の予防、重症化防止の打ち手を研究する。同市は昨年度、後期高齢者における「大腿骨近位部骨折」に関するデータ分析を京都大学に委託。患者のうち70%以上は在宅生活者であることや、1人あたりの総医療費は骨折後6ヵ月以内の短期的な増加に留まる一方、総介護費の増加は骨折後 36ヵ月時点でも継続していたことなどを解明した。今年度は民間企業4社の協力を得て、京都大学と共同研究のかたちで事業を拡充する。
具体的には、研究テーマを「肺がん」「生活習慣病」に設定。前者についてはアストラゼネカ、後者については東和薬品、TISの協力でそれぞれの疾患の実態解明に取り組む。両テーマの研究についてのコーディネイトはヘルステック研究所が担当する。期間は2022年3月までで、その後、分析結果について報告書を公表する予定だ。