エムスリー、オンラインで完結するがんに特化した「マルチオピニオン」サービスを開始

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リリースより:開始予定の「医知恵」サイト内のサービスイメージ

2017年7月25日、エムスリーは専任スタッフが、オンライン上で複数の専門医に同時に医療相談ができる「マルチオピニオンサービス」を開始すると発表した。今月下旬にまず乳がんを対象として試験的に開始し、以後胃がん、肺がんをはじめとした「がん」全般を対象としたサービスを順次始める。

 

オンラインで3人の専門医から意見を聞けるサービス

主治医以外の医師に検査結果や治療に関する意見を聞く「セカンドオピニオン制度」は以前からあるが、厚生労働省が平成23年に発表した受療行動調査によると、「セカンドオピニオンは必要だと思う」と回答した患者のうち、7割は実際には未受診。受診しない理由として「受診方法が不明」「手続きが煩雑」「近隣に受診可能な医療機関がない」などが挙げられている。エムスリーではこの課題に対応するサービスとして、医師会員数25万人以上の強みを活かし以下の概要のサービスを開発したという。

 

1.同時に3人の専門医からの意見を取得

25万人以上のm3.com会員医師の中から3人の有識者を選び紹介。所属医療機関が異なる3人の専門医からの偏りのない回答を比較でき、悩みや不安の解消に役立つ

 

2.専任スタッフが論点を整理

専任スタッフが患者の立場に立ち、治療やリスクに関する論点(確認ポイント)を専門的な視点より整理。患者1人だけで相談した時にありがちな「聞き逃し」や「不安の持ち越し」を防ぐ
 

 

最初のサービス対象は「乳がん」

このサービスの最初の対象は乳がんで、7月下旬より、既にエムスリーが運営しているサイト「医知恵 乳がん」内で試験的に開始する。その後胃がん、肺がんをはじめとした「がん」全般を対象としたサービスを順次開始し、さらに、ニーズに応じ難病、希少疾患等の分野でも展開を予定しているという。

なお、検査結果等の診療情報を受け取った上で、医師が意見を述べるセカンドオピニオンとは信頼度や医師が受け取る情報の多寡において明らかな違いがあるが、オンラインで完結する、専任スタッフが情報を整理する立場で入るという点がサービスとしての差別化ポイントといえる。

 

◎この記事をお読みになった一般の方へのご留意点

セカンドオピニオン制度に基づく受診、今回のエムスリーのマルチオピニオンサービスともに保険診療対象外となります。セカンドオピニオンを受けるには、主治医にその旨を伝え診療情報提供書を受け取ることが必要です。診療情報提供書を受け取ること自体は保険の対象ですが、セカンドオピニオンを受ける行為は自由診療となり、提供する医療機関により料金が異なります。またエムスリーのマルチオピニオンサービスについては、あくまで相談サービスであり、診療行為ではありません。

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