「マイナ資格確認アプリ」が登場しました
〜オンライン資格確認の非常用サブシステムとしての導入お薦め〜
医療機関の方々からオンライン資格確認についていろいろな心配事を聞かされます。「もしも顔認証機が故障したらどうすれば良い?」「感染症外来での利用はどうしたらよいか?」….。それらに対する解答がようやく出てきました。それが「マイナ資格確認アプリ」です。
記事内にある「オンライン資格確認操作マニュアル(管理者編)第6章 マイナ資格確認アプリ管理」ではこれら全てのやり方はわからず、アクティベーションコードを得るだけで精いっぱいでした。
今回は、小林典雄先生の成功事例に倣い、まとめを作成いたしました。
こちらがスマホにインストールできる「マイナ資格確認アプリ」です。これはiPhone用、Android用ともに誰でもストアでダウンロード出来ますが、オンライン資格確認の端末が導入された医療機関しか利用することは出来ません。
初期登録
アプリを起動するとまず初期登録画が開きますが、ここで入力する項目は、オンライン資格確認端末(以下オン資端末)から用意する必要があります。
オン資端末に管理者権限でログインして以下を実行します。ログインのための詳細はオン資端末業者が端末とともに納品していったはずの「資格端末仕様書」の設定情報にあるユーザ名ID・パスワード表をご確認ください。
①「環境設定情報更新」で「訪問診療等機能」を「利用する」に変更します
②「アカウント管理」で利用するスマホについての登録を行います。権限区分を「医療情報閲覧」を選択すること、さらにユーザID(任意)・ユーザ名(任意・全角指定)・ユーザ名(カナ全角)・利用開始日(当日)を入力し、利用開始日は未入力で「登録」を押します。すると、任意で設定したユーザID用のパスワードが発給されるので必ずメモを取りましょう。いったんここで管理者権限からログアウトします。
さらにログイン画面からここで表示されたユーザID・パスワードを用いてログインし、初期パスワードから使いやすいパスワードに変更しておきます。これでこのスマホ用IDからいったんログアウトします。
アクティベーション
③ あらためてログイン画面から管理者権限でログインしなおし「アクティベーションコード管理」を開いて機種名を入力して、自動発番されるコードを取得します。
ここでスマホに戻り、アプリ上で必要項目を入力します。
その後、改めてログインし、マイナンバーカードをスマホに接触させると、めでたく健康保険証情報が取得できました。
本来はこのアプリは在宅診療で用いるためのものですが、既に院内にオンライン資格確認端末があれば必要情報が取得・管理できるため、ぜひ非常時用・あるいは発熱外来用としてご準備いただければ有用ではないかと思います。インストール・導入に関しては面倒な操作もありますが、お役に立てれば幸いですし、これはあくまでも非常時のためのサブシステム、と受け止め「イザと言う時のために利用せずに済めば越したことはない」と考えることにしたいと思います。
なお、この方法は下記の厚生労働省資料に則ったものです。
https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001193993.pdf
肝となるページを抜粋しておきます。
また、日本医師会では「医療機関等向け総合ポータルサイト」からマイナ資格確認アプリ利用開始申請を行う方法を都道府県医師会を通じて日本全国地区医師会へ発出していることも付記しておきます。
サイトにログインした後に利用開始申請を行うためには「特定健診・特定保健指導機関届(保険医療機関)」を添付しなければならず、書類探しに時間がかかったり、集合契約元である地区医師会から控えを送ってもらったりと何かと手間がかかります。
寄稿:目々澤 肇(めめざわ・はじめ)氏
1981年獨協医科大学医学部卒業。スウェーデン・ルンド大学医学部実験脳研究所留学。日本医科大学千葉北総病院でSCU(脳卒中救急ユニット)立ち上げを行ったのち、1933年から続く目々澤醫院(東京都江戸川区)の第3代目院長に就任。 自身の診療所でもAI問診Ubieや電子聴診器Nexstetho®️を活用するなど、テクノロジーの研究、活用に造詣が深い。医療法人社団茜遥会 目々澤醫院 院長