【2020新年企画】新年度の医療政策を見る:厚生労働省
昨年末、令和2年度(2020年度)の政府予算案が閣議決定され来週からの通常国会で審議が始まる。Med IT Techでは新年度企画として、省庁別に医療・介護・ヘルスケアITに関係する予算枠についてプレビューする。初回は厚生労働省予算について概況説明する。
働き方改革の予算大幅加増、ICT関連は26.5億円
来年度予算の特徴のひとつは「働き方改革」の予算が拡充されたことだ。ICT活用の予算枠に関しても合計で倍以上の加増になっている。その中でも「タスクシフティング」に関する枠が大きく、医療従事者間の情報共有や効率化による業務負担の軽減が期待できる事業に支援が手厚くなるだろう。
介護分野はほぼ現状維持
介護分野のICT、テクノロジー導入に関しては、ここ数年生産性向上の名目で計上されているが、来年度予算ではほぼ現状のメニュー通りのようだ。予算枠では大きく向上しているが、保育補助者の配置や人材育成などに増加分が回されている。
医療分野の増加分は「マイナンバーカード」関連
医療分野の研究開発に関しては、全体で300億円ほど加増されている。ただ加増分のほとんどはオンライン資格確認のシステム導入に関連した、マイナンバーカードの保険証活用に関するもの。研究開発そのものへは差し引きほぼゼロというかたちだ。その中でも、データヘルス関連とゲノム医療には重み付けがされ、30億弱ほど予算が加増されている。なおAMED(日本医療研究開発機構)に当てられる予算と具体的な事業については、すでに公募予告されている事業が多く出ているので参照していただきたい。
外部リンク:厚生労働省 令和2年度予算案の主要事項
外部リンク:日本医療研究開発機構 公募情報一覧