2024年度の診療報酬改定項目を公表、医療DX推進関連の改定項目も明らかに

 厚生労働省が1月12日付で、中央社会保険医療協議会(中医協)での議論を踏まえ2024年度の改定項目を公表した。医療DXを推進するためとして、ICTを活用した診療・医学管理に対し多くの見直し・評価の創設が行われることが明らかになった。関係分をまとめる。

「令和6年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理」を公表

 同省が公表した「令和6年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理」には、大項目の2番目として「ポスト2025を見据えた地域包括ケアシステムの深化・推進や医療 DXを含めた医療機能の分化・強化、連携の推進」が掲げられ、15項目にわたって改定内容が列挙された。診療報酬に関する内容に絞ると以下となる。

  1. オンライン資格確認等システムが導入されている場合の「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」の評価見直し
  2. 電子処方箋管理サービスおよび電子カルテ情報共有サービスへの対応を行なった医療機関に対する評価を創設
  3. 在宅医療、訪問看護において「居宅同意取得型のオンライン資格確認等システム」「電子処方箋管理サービス」「電子カルテ情報共有サービス」を活用する体制に対する新たな評価の創設
  4. 「救急時医療情報閲覧機能」を導入した場合に「総合入院体制加算」「急性期充実体制加算及び救命救急入院料」について要件を見直し
  5. へき地診療所・へき地医療拠点病院が「DtoPwithN」のかたちでオンライン診療を実施する場合の新たな評価を創設
  6. 指定難病患者に対する「DtoPwithD」のオンライン診療の実施について、遠隔連携診療料の対象となる対象疾患の見直し
  7. 持続陽圧呼吸(CPAP)療法の対象患者(閉塞性無呼吸症候群)に対するオンライン診療について新たな評価を創設
  8. 発達障害等の小児患者に対するオンライン診療において、医学管理の新たな評価を創設
  9. 精神療法にかかわるガイドラインが策定されたことを踏まえ、対象患者にオンライン診療を行なった場合について新たな評価を創設
  10. 歯科におけるオンライン診療について「継続的な口腔機能管理」を行なっている場合と「感染症で対面診療が行えない場合で、急性症状がある患者」に対するオンライン診療を行なった場合に新たな評価を創設
  11. 口腔がんなどの経過観察といった場合で「DtoPwithD」などをおこなった場合の新たな評価を創設
  12. 「診療録管理体制加算」におけるサイバーセキュリティ対策整備の要件緩和および評価見直し
  13. プログラム医療機器を用いた診療に関して、医学管理の評価を見直し

※上記項目は、今回厚生労働省が公表した資料の内容のうち、診療報酬に関係するであろう内容についてMed IT Tech編集部が独自にまとめたものです

 これらの内容については、2月上旬までに点数をアキにした状態の具体的な「個別改定項目」、いわゆる「短冊」が公表され、3月上旬までに点数も含めた改定内容が確定する。なお今回の診療報酬改定については、システムベンダー等の対応に負担がかかることが予想されるため、通常より後ろ倒しし、6月1日施行とすることが決まっている。

詳細:厚生労働省 「令和6年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理」