ジュピターテレコム、国内初の「ケーブルテレビでのオンライン診療」を実証実験へ
2019年8月2日、ケーブルテレビ最大手のジュピターテレコムは、ケーブルテレビを活用したオンライン診療の実証実験を2019年9月から開始すると発表した。ジュピターテレコムの顧客向けに、オンライン診療サービス大手2社のシステムと連携する独自アプリを開発、東京都23区内と福岡市内の2地域で実施。テレビ上でのオンライン診療の有用性などを検証する。
東京都内と福岡市内の2地域で実施
高齢者の視聴時間が長いと言われるテレビを活用した、オンライン診療の実験が始まることになった。ケーブルテレビ最大手のジュピターテレコムは、約551万世帯の契約数と市場シェア50%を保持する日本における最大のプレーヤー。同社が自社のセットトップボックスで動作する独自のオンライン診療アプリを開発し、オンライン診療システムを展開する2社のアプリとそれぞれに連携、別々の枠組みで実証実験を行う。
対象となるのは契約者で慢性疾患を抱える60歳以上の患者。東京都ではMICINの提供するオンラインシステム「curon(クロン)」と、福岡市ではインテグリティ・ヘルスケアが提供する「YaDoc(ヤードック)」とそれぞれ連携し、テレビ画面上でのビデオ通話による診察や服薬指導、 医療機関の予約や問診などを行う。またスタッフが患者宅を訪問し、 機器設置や初期設定、 操作説明などサポートも行うという。患者は使い慣れたテレビのリモコン操作で受診することができ、診療に対するハードルを下げることが期待される。
ジュピターテレコムでは、 オンライン診療や健康相談、 バイタルデータ管理などを含む総合ヘルスケアサービスの提供を検討しており、今回の実証実験を通じ有用性などを検証、2021年度の商用化を目指す。 東京都と福岡市で実施される実証実験の概要は以下。なお福岡市での実証実験は、ジュピターテレコムとは別の枠組みで、インテグリティ・ヘルスケアが薬局と連携し、遠隔服薬指導の実験も行う。
東京都で行われる実証実験の概要
対象:東京都練馬区、足立区、葛飾区、板橋区、豊島区在住の慢性疾患を抱える60歳代以上の患者
期間:2019年10月〜2020年1月
協力医療機関:大角医院(東京都練馬区)、長崎診療所(東京都足立区)、野村医院(東京都板橋区)、細田診療所(東京都葛飾区)、山下診療所(東京都豊島区)
内容:J:COMが開発するオンライン診療アプリとクロンのシステムを連携、患者はリモコンを使ってテレビ上で予約や問診入力、ビデオ通話で医師の診察を受ける。
福岡市で行われる実証実験の概要
対象:福岡市内で慢性疾患を抱える60歳代以上の患者
期間:2019年9月〜2020年1月
協力機関:医療法人 貝塚病院 、ココカラファイン薬局奈多店
内容:J:COMが開発するオンライン診療アプリとYaDocを連携、患者はリモコンを使ってテレビ上で予約や問診入力、ビデオ通話で医師の診察、および薬剤師による遠隔服薬指導を受ける。