三重大、「肺体血流比」を定量評価できるAIを開発 専門医より判別能良好と発表

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三重大は、先天性心疾患の重症度を表す「肺体血流比」を、胸部X線画像の解析で正確に評価するAIを開発したと発表した。専門医を超える精度で定量的に評価することが可能だという。研究グループでは、この成果により、胸部X線画像に、これまで医師が認識していなかった有用な情報がある可能性が示されたとしている。

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ディープラーニングでアルゴリズム開発 専門医より正答率良好

発表資料より http://www.mie-u.ac.jp/R-navi/release/files/24cadb993741614668d97094512546d8.pdf
発表資料より http://www.mie-u.ac.jp/R-navi/release/files/24cadb993741614668d97094512546d8.pdf

AIを開発したのは三重大学医学部医学系研究科 胸部心臓血管外科 高尾 仁二教授、医学部附属病院 周産母子センター 三谷 義英准教授、同 心臓血管外科 鳥羽 修平助教らの研究グループ。先天性心疾患の重症度を表す「肺体血流比」は手術の必要性の判断等に重要な指標だが、正確な測定には心臓カテーテル検査などの大掛かりな検査が必要であり、患者への侵襲度が高い。胸部レントゲン写真から肺体血流比を大まかに予測することも可能だが、「高い」「低い」といった定性的な評価にとどまり、正確な評価は困難とされてきた。今回、研究グループは人工知能による画像認識技術を用いて、胸部レントゲン写真から定量的に肺体血流比を予測する方法を開発した。

具体的には、レントゲン画像931例と、肺体血流比のカテーテル検査結果をコンピュータに投入し、転移学習の手法でアルゴリズムを構築。血流火を数値で算出するAIを開発した。このAIを、別の画像を活用し専門医と正答率を比較評価したところ、二段階、四段階のどちらの分類においても専門医より高い精度で判別できたという。

研究グループでは、循環器領域における人工知能を用いた胸部レントゲン写真の評価の報告は世界初であり、医師の模倣を超えた定量的な評価が可能であることが示されたとし、さらに、これまで医師が認識していなかった情報が胸部レントゲン写真に眠っている可能性が示唆されたとしている。今回の研究成果は、2020年1月22日付で医学雑誌「JAMA Cardiology」に発表されている。

外部リンク(論文):JAMA Cardiorody :Prediction of Pulmonary to Systemic Flow Ratio in Patients With Congenital Heart Disease Using Deep Learning–Based Analysis of Chest Radiographs

 

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Posted by Shigeru Kawada