自宅から心電データを直接送信、医師がモニタリングとサポート 日本のヘルスケアベンチャーが新サービス

患者自身が心電データを測定し医師に送ると、医師がオンラインでデータを閲覧、異常があればチャットで状況を聞き取る。日本のヘルスケアベンチャーが、モバイルヘルス機器を中核に健康医療相談もパッケージにしたサービスを開始した。将来的には遠隔医療への応用も目指しているという。

30秒程度で心電データを計測、そのまま送信 異常なら医師から連絡

今回のサービス「心電くん」を開発・開始したのは、2014年設立の日本のベンチャー、シンプレクスクオンタム。サービスの中心は新たに開発した心電図計(医療機器認証済)で、乾電池駆動で持ち運べる大きさとし、利用者が迷わないよう測定はボタンひとつでできるようにした。測定する際は本体横のボタンを1回押し、30秒両手で本体を握るだけで、この30秒の間に心電データを測定し、そのまま心電図計内で独自開発のアルゴリズムが異常がないか解析しつつ、自動でサーバへ送信する。本体だけでLTE通信できるようにしてあるため、測定からデータ送信まで自動で行われる一貫したフローを実現した。

サービスにはスマートフォン向けアプリがセットとなっており、測定したデータの日毎の履歴を見られるほか、チャット機能も備えている。測定データに異常があれば、このアプリを通じ(Webの専用ページ経由もある)、同社が契約する循環器内科医から連絡して状況を聞き取るという。もちろんその機会を捉え、患者側が相談することも可能としている。同社ではこのサービスを心疾患患者だけでなく、高血圧や糖尿病患者、不整脈が心配な方などに予防的なサービスとして提供することを視野に入れており、また企業の社員向けサービスとしての導入も見込む。

※ このサービスが提供するのはオンライン診療ではなく遠隔健康医療相談のみ