国立がん研究所ら開発の「がん遺伝子パネル検査」が保険適用決定

2019年5月29日、国立がん研究所は、同所と検査機器販売大手のシスメックスで共同開発した、がん遺伝子パネス検査システムの保険適用が決定したと発表した。同日の中央社会保険医療協議会総会(中医協)で承認された。6月から適用開始となる。

がん関連遺伝子114個を一括検査

NCCオンコパネルの検査手順と検査対象遺伝子

同日の中医協で承認されたのは「OncoGuide™ NCCオンコパネルシステム」。日本人のがんで多く変異が見られる遺伝子114個について、次世代シークエンサー※1を用い1回の検査で調べることができる。小児がんを含む様々な固形がんに起きている遺伝子の変異を網羅的に調べることで、患者の診断や治療薬の選定などに有用な情報に基づいたがんゲノム医療の提供が実現できるとする。

このパネルには、海外製品には搭載されていないNRG1遺伝子やRHOA遺伝子など、日本のがん患者で変異が見られる遺伝子が搭載されており、また、日本人が持つ個人差(遺伝子多型)とがん細胞で生まれた変異(体細胞変異)を識別した検査結果が得られるという。加えて、がん患者が生まれながらにもつ遺伝子変異(生殖細胞系列変異)の検出もできることから、遺伝的に発生した腫瘍の診療に役立つ結果も得られる。

この検査システムを活用した医療はこれまで「先進医療B」として提供され、300名余の患者に実施されており、今回の保険適用はその実績を評価したものとなる。なお中医協で承認された公定価格は56万円で、患者の負担割合は医療保険に基づき1割または3割、さらに高額療養費制度の対象となる。