3Dプリンタでマスクとフェイスシールド 相次いで無償データ提供

 新型コロナウイルス対策として、世界各地で3Dプリンターによる医療資材の制作を行う取り組みが活発化しているが、日本でもその動きが立ち上がった。企業や研究者が、3Dプリンタで出力可能なマスクとフェイスシールドの部材データを作成し、無償公開している。

川崎のIT企業、軽量で洗浄可能なマスク部材のデータを無償公開

 川崎市幸区のIT企業「イグアス」は、マスク不足に対応するため、自社で販売する3Dプリンターで出力可能なマスクの制作を着想。実際に顔をスキャンし、そのデータを元に造形の調整を重ねて改良したという。軽量で柔軟性と耐久性のあるナイロン粉末材料を使用し、水や洗剤での洗浄が可能で繰り返し使用できる。また内部には布、ガーゼ、紙類等、使用者が選んだ素材をセットする仕様だ。同社では男性、女性、子どもそれぞれのサイズ別に3Dプリンターで出力可能なSTLデータを同社Webサイト内で公開している。

外部リンク:株式会社イグアス 3Dマスク情報

 

クリアファイルをフェイスシールドに転用できるデータも

神奈川大学経営学部の道用准教授

 また、神奈川大学経営学部の道用大介准教授は、文房具店などで販売しているクリアファイルを顔の保護に使えるようセットできるフレームを3Dプリンタで造形。組み合わせれば医療従事者が使うフェイスシールドにできるとして、データを無償公開した。道用准教授はデータについて「装着感が良いものを一度に大量に製造できるよう設計した。身近な材料で簡単に作れるので医療現場を支えたい」と語っている。

外部リンク:神奈川大学 お知らせ 道用 大介 准教授(経営学部)が3Dプリンタでまとめ作りできるデータを公開しました