ロボキュア、臨床試験でロボットによる失語症者向け言語リハビリの有効性を確認

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リリースより:病院内における訓練の様子

 

2017年7月10日、ロボキュアは、千葉大学との共同研究で開発した言語訓練用アプリ『ActVoice for Pepper』を活用する、失語症者に対するリハビリの臨床試験において有意な改善が確認できたことを発表した。

 

4症例中3症例で改善を確認、自宅での長期訓練でも効果

今回の臨床試験は、国保直営総合病院君津中央病院の協力を得て2015年12月より約1年半にわたり実施した。健常高齢者の日常会話語彙から100語を選択し、正答率が統一されるように20語ずつ訓練語と非訓練語を選定したのち、週1回の言語聴覚士との訓練前の待ち時間に呼称訓練、別室で呼称検査を行なう手順をとった。第1訓練期と第2訓練期の間には1カ月の間隔を空けた。

 

上記のように、4症例中3症例について、訓練語の正答率はいずれも改善がみられた。また病院内における訓練で改善の度合いが少なかった1症例について、Pepperを自宅に置いて引き続き訓練を行ったところ、改善が確認できたという。

 

今回臨床試験を行なった、君津中央病院の言語聴覚士である村西幸代氏は以下のコメントを寄せている。

今回この臨床試験を実施して、失語症者とロボットとの1:1の言語訓練が成立することがわかりました。そしてその中で最も驚いたことは、失語症者の方がPepper君と向かい合って行う呼称の回数でした。わずか25分程度の待ち時間の間に、平均で139回、多い時には369回も繰り返し練習をしておりました。これはPepper君がロボットのために出来たことと思います。失語症者の方の言語回復には長期的な見通しを持った、粘り強い練習が必要となります。ロボットであれば、自分の苦手とすることでも、気負わずにさらけ出し、心ゆくまで練習ができます。これがロボットとの練習の最大のメリットなのだと思います。

 

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