横浜市のSIBモデル事業に「産婦人科・小児科オンライン」が参画 産後うつ低減効果をRCT試験で検証

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2020年8月26日、横浜市は同市で初めて民間資金を活用するソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)のモデル事業を実施すると発表した。地元の地銀である横浜銀行が出資し、「産婦人科オンライン」「小児科オンライン」を運営するKidsPublicなどが参画、同市で最も出生数が多い港北区をフィールドに母親の産後うつ低減効果を検証する。

RCT試験で効果検証、調査と妥当性検証は東京大学などが実施

横浜市が初めての試みとして、地元地銀らとSIBの枠組みを活用した母子保健の取り組みを実施する。26日、横浜銀行、東京大学、EY新日本有限責任監査法人、KidsPublicらと協定を締結し、産後うつの低減を目指すモデル事業を行うと発表した。モデル事業では、妊娠期から特に不安が強くなりやすい産後4ヵ月までの母親に、KidsPublicが運営する遠隔健康医療相談サービス「産婦人科オンライン」「小児科オンライン」を提供。サービス利用による母親の産後うつのリスク軽減効果を検証する。

検証方法はランダム比較化試験の形式で行う。具体的には参加希望の母親720名を「産婦人科/小児科オンラインを利用する群」と「産前産後に役立つ情報を掲載する専用Webサイトを利用する群」に無作為で振り分け、有意差が出るかを検証する。学術機関として東京大学大学院医学系研究科(保健社会行動学分野)が参画し両群の調査・効果の検証をを行い、さらにその妥当性を公共経営・社会戦略研究所が評価する。

今回の事業の中核的な役割を果たすKidsPublicは発表に際し、「本事業を通じて日本における遠隔健康医療相談のエビデンス構築に貢献したい」と述べている。事業期間は2020年9月から2022年1月まで。

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Posted by Shigeru Kawada