米国医師のデジタルヘルス指向が顕著に スタンフォード大医学部が調査報告
アメリカの臨床研究や医療政策において大きな影響力を持つスタンフォード大医学部が、デジタル技術を含む新しい医療技術についての姿勢を現役医師にアンケートした結果が公表された。報告では、多くの医師や医学生がAIを含むデジタル技術の知見を深めようとしていることが明らかになっている。
47%の医師がデジタルヘルスの学習に意欲
スタンフォード大学医学部は定期的に、医療関係者の研究トレンドなどを調査・報告するレポートを発表しているが、今年はデジタルヘルスに関する指向の調査を行い2020年版のレポートの中で発表した。それによると、現役医師の47%、医学生、研修医の73%が、遺伝カウンセリングや統計学、Population Healthといった高度なデータ解析を必要とする分野に取り組む意欲を示し、知見を深める機会を求めているという。また、そのうちの34%はAIについて学びたいという意向を示している。
50%以上がモバイルヘルス機器を所持、80%近くが臨床に役立つと答える
調査の中では、彼らが単に学習に意欲を持っているというだけでなく、ユーザーとしても実際に体験し、価値を体感していることが明らかになった。回答者全体の50%以上がウェラブルデバイスを所持しており、そのうち医師の71%、医学生・研修医の60%が、実際に自身の健康状態の判断に活用していると答えた。また、80%近くが自身についてだけでなく、患者のこうしたデータも診療に役立つとしており、臨床応用に非常に意欲的であることがうかがえる。調査をまとめた同大学医学部長のロイド・B・マイナー博士(医師)は「調査を通じ、言ってみれば『データ駆動型医師』が医学の潮流となりつつあることが明らかになった」と述べた。調査は2019年9-10月にかけ、現役医師523人と研修医、医学生210人を対象とし実施された。