規制のサンドボックス制度、医療分野第2弾は「ブロックチェーンによるデータ改ざん防止」
2019年4月22日、内閣府の日本経済再生本部 新技術等社会実装推進チームは、先の4月18日に開催された委員会で認定されたプロジェクトを公表した。医療分野では、サスメドが申請していた「ブロックチェーンによる臨床データ改ざん防止」計画が認定された。
「モニターが訪問しなくともデータの信頼性を実証」
今回の認定目的は、治験におけるモニタリング実施要件の緩和だ。現在は省令によって、モニタリングの際は医療機関への訪問が基本とされ「他の方法によってモニタリングが十分にできる場合」には、訪問によらない方法も認めるとしている。しかし、治験結果をPMDA・厚生労働省に報告した際、データ無効を指摘される可能性がゼロではなく、1件数億円と言われるほどのコストを考えれば、非効率なモニタリング方法を継続せざるを得ない現状がある。その結果として特定臨床研究数の減少、さらなる開発コストの増加に繋がっているとされてきた。
今回認定されたプロジェクトは、まさに省令で定められている「他の方法によってモニタリングが十分にできる場合」をブロックチェーン技術の活用で実証する。具体的には、国立がん研究センターと医療ベンチャーのサスメドが、運動プログラム開発のための臨床試験においてモニタリングを実施する際、データ入力専用サーバにブロックチェーン技術を直接採用する。従来手法だと、原資料と報告用資料の複数のデータ記載資料が存在し、モニタリングによりその間に差異がないことを担保するが、この手法ではそもそもデータが複数の資料に存在するということがなくなり、格納されたデータもブロックチェーン技術により改ざんが困難であるため、データの信頼性が確保できるとする。
実証実験は認定された2019年4月22日から9月30日まで実施される見込み。