T-ICU、初期費用と利用料無償でサービス提供 新型コロナ対策で6月末まで
専門医による遠隔集中治療ソリューションの普及を図るベンチャー企業T-ICUは、今般の新型コロナウイルス感染拡大に対応する医療機関を支援するため専門医を増員し、さらに6月末まで初期費用、月額利用料を無料とすると発表した。
ICU専門医を増員し24時間対応を支援
新型コロナウイルス感染症の患者数が急激な増加し、その勢いが止まらないなか、集中治療室(ICU)で治療が必要な重篤な患者も急激に増加している。そのため、以前より人材不足が慢性化している集中治療専門医・集中ケア認定看護師の枯渇がさらに浮き彫りになっており、臨床現場は危機的な状況となっているという。
2016年創業のT-ICUは、自らも医師である中西智之氏率いる集中治療専門医と認定看護師の専門家集団。遠隔から24時間体制で生体情報(心電図、X線、採血データ等)を監視し、早期に的確な治療方針を提案することにより、重症患者を急変させることなく予後の改善をサポートする。これまで京都大学医学部附属病院や医療法人社団康喜会 辻仲病院柏の葉などとサービス契約し、各病院のICU運用を支援している。今回、通常のサービスラインに加え、重篤な新型コロナウイルス患者に対する体制を構築するために新たに集中治療専門医を増員、さらに6月末まで初期費用、月額利用料を無料とする。
なお新型コロナウイルス治療に対応する遠隔でのICU支援に関しては、厚生労働省も先ごろ発出した事務連絡の中で「人工呼吸器による管理等の集中治療を適切に行うため、情報通信機器を用いて、他の医療機関の呼吸器や感染症の専門医等が、呼吸器の設定変更の指示を出すことなどを含め、十分な集中治療の経験がない医師等と連携して診療を行うことは差し支えないこと」と認めている。