改正医療法が成立 医療機関Webサイトの誇大・比較表現に規制

 

2017年6月7日、参議院本会議で改正医療法が全会一致で可決、成立した。改正法では、これまで対象外であった医療機関のWebサイトにおける誇大表現・比較表現などが規制の対象となり、直接的な指導命令、罰則を受けることになる。一部を除き公布から1年以内に施行される。

 

Webサイトを医療法上の広告とはせず、表現を対象に規制

今回成立した改正法案は第8次医療法改正と呼ばれ、昨年来より社会保障審議会医療部会で議論されてきたもので、1月の部会でまとめられた内容が法案化されたということになる。Webサイト上の表現を規制する手法については、医療法上の広告に含めて規制する改正も検討されたが、医療法上の広告とされれば、医療機関名、標榜科目など法律に指定された内容以外表示することができないため、より詳細な情報提供ができなくなる点を考慮。法文には「他の病院又は診療所と比較して優良である旨の広告をしないこと」「誇大な広告をしないこと」「公の秩序又は善良の風俗に反する内容の広告をしないこと」という表示内容の規制を書き込み、媒体についてはWebサイトを個別的に指定することは避けた(衆院提出時の法文案はこちら)。医療法に書き込まれたことで、これまで問題とされていたWebサイト上の不適切な表現を指導監督、罰することができるようになる。

改正法ではその他、近年相次いだ医療安全に関する重大事故を受け、特定機能病院の要件に「医療の高度の安全を確保する能力を有すること」を追加した。この実体を伴わせるため、法文にも「管理及び運営について管理者が有する権限を明らかにす ること」「医療の安全の確保に関する監査委員会を設置すること」など、ガバナンス確保のための義務を明確に規定した。