災害直後の迅速な調剤活動を支援 「地域分散型ストレージシステム」の実証実験を発表
東北大学電気通信研究所と宮城県薬剤師会は2016年11月17日、耐災害性の高い地域分散型ストレージシステムを活用した大規模災害後の迅速な調剤活動に関する実証実験を、 2016 年 11 月 23 日に訓練形式で実施すると発表した。この実証実験は、文部科学省の委託研究「高機能高可用性情報ストレージ基盤技術の開発」プロジェクトの取組みの一つとして、日立製作所および株式会社日立ソリューションズ東日本の協力を得て実施する。
近隣地域から災害地へ、データ復旧から支援活動までの時間を記録
この実証実験は、現在広汎に採用されている遠隔地へのデータバックアップ（二重化、冗長化）の問題点である、ネットワークから隔絶された被災地へのシステム提供を研究するもの。研究グループでは2012年9月よりこの課題を克服するため、インターネットから分断された状態でも、近隣地域でデータを分散保管し災害時に高速で地域の閉域網内でデータを復旧するシステムを構築してきた。今回の実験では、被災地での調剤活動を事例に、調剤・薬歴管理システムのデータを仙台市内の3カ所にデータを分散保管。そこからのデータ復旧、復旧されたデータを搭載したシステムを、宮城県薬剤師会が所有するモバイルファーマシーに載せ被災地に向かい、調剤活動を行なうまでの一連の活動を実際に行ない、それぞれの時間を記録。当日その場で、実用化に向けた課題も検討する。