凸版印刷、製薬会社向け電子カルテデータ分析ツールを開発

 凸版印刷は、医療機関から収集した電子カルテデータをベースとした診断患者数/処方患者数/性別/年代などの情報を直感的な操作で分析できる「DATuM IDEA(デイタム イデア)」の提供を開始すると発表した。認定医療情報等取扱受託事業者であるICI(東京都)と資本提携したうえでデータ提供を受けており、このデータをユーザ自ら分析することが可能になっている。

匿名加工医療情報をGUIで分析できるツール

 同社の発表によると、今回のツールで閲覧・解析ができるデータは一般財団法人日本医師会医療情報管理機構(J-MIMO)が収集した電子カルテ情報の匿名加工データ。同社のデータを匿名加工することが認められているICIと同社は資本業務提携しており、この提携に基づいてデータベースを構築してきた。
このツールでは、ダッシュボード上から年代や性別等のセグメントを指定すると、即時にチャートが連動し指定セグメントに絞り込まれた状態で表示することができるようになっており、直感的な操作でデータ分析を行うことができるという。レセプトデータ上では調整されてしまう、電子カルテ上の疾患名を用いた分析が可能で、薬剤の適応外使用の状況把握も可能になるとしている。疾患患者数や薬剤処方件数だけでなく、薬剤投与後の検体検査結果値分析もできる。

 同社はこのツールをまずは製薬会社を始めとして普及・展開を図っていくと同時に、レセプトデータ、健康診断データなど他の医療データも対象に拡大し、診断から治療後の生活に至るまで俯瞰して解析できる統合データベースの構築を目指すとしている。