横浜市と横浜市立大学、データサイエンスで救急需要予測の試み
2017年7月14日、横浜市は、横浜市立大学と市内の救急需要の予測に関する共同研究を開始すると発表した。市大医学部の臨床統計学教室と市消防局が、市内の救急出動データを分析し、年内に成果を公表する。
データサイエンスを行政施策に活用、救急車の効率的運用促進を目指す
横浜市は各種統計データをポータルサイトで公開しているが、そこで明らかになっている課題のひとつが救急出動、搬出人数の増加。ここ数年も数%の上昇を続けており、さらなる救急車の効率的な運用を迫られている。そのため市消防局と横浜市大医学部臨床統計学教室(山中竹春教授)の間で共同研究を実施し、救急需要の予測モデルを開発する。今回の共同研究では、オープンデータとして公開されている以外のデータ(搬送者の年齢や出動時間帯等)も活用し分析、年末までにその予測モデルも含めた研究成果を公表。今後の消防行政に活かしたい考えだ。
自治体の政策立案にアカデミアがアーリーステージから関わる事例はあまりなく、公立大学が地元行政のためにデータ解析を行なう今回の枠組みは、官民データ活用推進基本法に基づいた、地方における積極的な活用モデルになる可能性がある。なお横浜市立大学は2018年4月にビッグデータの解析と活用を専門とする「データサイエンス学部」の新設を予定している。