【医療機器開発コーディネーターが見るCEATEC2016】①見守りの最前線は「いかに見守らないか」
2016年10月4日-7日にかけ、幕張メッセで行なわれた『CEATEC2016』に行ってきました。
他メディアでも報道されているように、前年までのような「家電見本市」といった方向性ではなく、IoTや未来に向けたまだ実用化されていない技術の出品が中心のものとなりました。今回は医療やヘルスケアICTに関連しそうな出品、技術に絞り、ユースケースが想定しやすいものをご紹介したいと思います。
「非侵襲」センシングでの見守りも可能なシステム事例
CEATEC2016では主催者展示として「IoTタウン」エリアが設置されていました。文字通りIoTデバイスを社会に実装したユースケースを集めたもので、製品単体ではなく、参考出品も含めサービスパッケージとしての展示がされていましたので、導入のイメージがしやすいものとなっていました。その中で私が注目したのは豆蔵ホールディングス、ニッセイ情報テクノロジーが共同で展示していた行動予測システム。
システム自体は他のものとあまり差異は見られませんでしたが、カメラによる見守りではなく、マイクロ波を用いたセンシングというところが目を引きました。介護施設だけでなく居宅介護などにも使えそうなものでした。ご本人に身体的、精神的負担をかけない「非侵襲」なセンシングデバイスの開発は、介護の「見守り」だけでなく医療における「モニタリング」でも有効なものとなるでしょう。
他のブースでは、パッケージとしての展示はほぼ見られませんでしたが、デバイスや技術単体としては面白いものがいくつかありました。
スイッチがセンシングデバイスになる未来
ロームとパナソニックでは奇しくもほぼ同じような展示でした。いずれも振動などで発電、信号を送る「無電」スイッチを展示。どれかひとつにセンサーを設置しておき、そこが押されると連動して各家電の電源が入るというものでしたが、当然これ自体が、室内の行動を推測するマーカーになり得ます。各ブースの説明員に聞いたところ、もちろんモニタリングするアプリを作成すればその用途にも使えるとの回答でした。