日本内科学会が内科希少疾患のAI診断支援システム開発、会員向け提供へ

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日本内科学会は、全国の地方会で発表された症例報告を活用した、内科希少疾患のAI診断支援システムを開発したと発表した。2019年夏以降に、日本内科学会の会員向けに提供する準備を進めている。すでに知財化を完了しており、同時に製品化を視野に入れるという。

学会内で蓄積された約55,000の症例を活用

今回開発したシステムは、症状などのキーワードを入力すると鑑別診断を複数表示するという診断支援システムで、専用のウェブサイトにログインして利用する。自治医科大、東京大、日本内科学会の3者共同で開発されたもので、内科学会の地方会症例報告データベースのテキストデータ約55,000例を、人海戦術で構造化し開発したという。

具体的には、症例報告データベースからテキスト情報を取り出し、複数の病態の因果関係を付与してナレッジグラフ化する作業をそれぞれの症例ごとについて作成した。110人の医師が手分けして作業を行い、自治医科大学学長の永井良三氏ら3人の医師がそれを確認、校正などを行って構造化した。AIはこのナレッジグラフの論理構造に基づき鑑別診断結果を提示するが、あくまで見逃しがちな希少疾患に関する参考情報としての位置付けだ。

同システムは日本内科学会員を対象に無償で利用できるようにする。3者での特許登録も完了しており、会員向け以外には、有償での製品化も視野に入れている。

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