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広島大ら、脳画像データなどのAI解析で抗うつ薬の効かない患者群を予想できることを発見

NEWSAI, うつ, ディープラーニング, 医療ICT, 医療IT, 奈良先端科学技術大学院大学, 広島大, 沖縄科学技術大学院大学

 

2018年9月20日、広島大学らの研究グループは、うつ病患者の脳機能画像データ及び幼児期のトラウマ経験などをAI(人工知能)で解析させることで、抗うつ薬が効かない患者群を予想できる可能性を発見した。精度は80%とされ、9月20日付で英国科学誌「Scientific Reports」のオンライン版に論文が掲載された。

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AIで脳画像、心理検査結果、バイオマーカーを解析

うつ病は脳の機能不全や身体的・心理的ストレスなど多様な原因で生じ、様々な症状を呈する疾患だが、現在のうつ病診断はアメリカ精神医学会によるDSM診断で行われ、抑うつ気分、意欲低下などの臨床症状を担当医が主観的に判断するものの、客観的な診断法は未だ確立されていない。治療においても、抗うつ薬に反応しない患者が3割程度存在することから、適切な治療選択および不要な薬物投与を防ぐためにも、客観的診断法および抗うつ薬治療反応性予測法の開発が求められている。

 今回の研究※1では、広島大学精神科で収集された、うつ病患者および健常者計134名のMRIを用いた脳機能画像解析データや脳由来神経栄養因子(BDNF)などの血中バイオマーカー候補物質と、心理検査や問診結果に基づく臨床評価指標をAI(機械学習:ベイズ多重共クラスタリング※2)の手法で統合解析。右角回を中心とした脳のデフォルトモードネットワーク※3の安静時脳活動および幼児期のトラウマ経験により、うつ病患者を3つのグループ(サブタイプ)に分けることに成功した。さらに、このうちの1つのグループが、抗うつ薬であるSSRIに対する治療効果が低いことを明らかにした。

(プレスリリースより)

 この結果は、患者のMRI脳機能画像データ及び幼児期のトラウマ経験を初診時に評価することで、抗うつ薬の投与前にSSRIの治療効果を予測できる可能性を示唆することなり、脳科学データに基づく新しいうつ病の客観的診断・治療法開発への多大な貢献が期待されるという。この研究成果は、2018年9月20日付で、英国科学誌「Scientific Reports」のオンライン版に掲載された

※1 日本医療研究開発機構(AMED)脳科学研究戦略推進プログラム「臨床と基礎研究の連携強化による精神・神経疾患の克服(融合脳)」(研究代表者:広島大学 山脇成人)

※2 ベイズ多重共クラスタリング手法
これまでに広島大学精神科の被験者の多次元データを用いて、奈良先端科学技術大学院大学および沖縄科学技術大学院大学の解析チームがベイズ多重共クラスタリング手法というデータの類似性にしたがって属性(評価項目)をグループ化し、各グループ内で被験者をクラスター化するデータ解析手法を開発した(TokudaT1,YoshimotoJ1,ShimizuY1,OkadaG2,TakamuraM2,OkamotoY2,YamawakiS2,DoyaK1:1Multiple coclustering based on nonparametric mixture models with heterogeneous marginal distributions. PLoSOne 2017 Oct 19;12(10): e0186566)

※3 デフォルトモードネットワーク
いくつか存在する脳の神経回路のネットワークの中で、安静時に活動しているネットワークの名称。うつ病ではこの脳活動の異常が指摘されている

 

 

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