全国22の病院と14カ所の高齢者施設をテストフィールドに キャピタルメディカが国内最大級のCVCを設立
30億円規模のCVCを設立
病院・高齢者施設の運営、周辺事業を行なうキャピタルメディカは2016年11月16日、ヘルスケアベンチャー企業に特化した30億円規模のCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)である「株式会社キャピタルメディカ・ベンチャーズ」を設立し、さらに投資先を対象に、同社が運営する病院・高齢者施設などをテストフィールドとして提供すると発表した。これらの機能を一括して提供する事例は国内初。
リリースによると「地域の医療を守る病院に対して、β版のプロダクトをテスト導入しながら事業開発を進めることは困難」であり、「テストフィールドが無いが故に製品やサービスの改善PDCAが廻らず、事業拡張に苦戦しているベンチャーが散見されます」とし、今回のCVC設立は「このような構造の打ち破り、ヘルスケアセクターで必要とされる有望な事業を創造する」ためのものだとしている。
全国22ヶ所の病院と14ヵ所の高齢者施設をフィールドとして活用
設立されるCVCでは、親会社のキャピタルメディカが経営支援する病院(22カ所)、高齢者施設(14カ所)をプロダクトのテスト・フィールドとして提供。事業のPDCAサイクルを加速させることで、ヘルスケア領域のイノベーション推進に貢献したいとしている。
なおキャピタルメディカは2005年設立の、医療機関経営支援・マネジメントを中核事業とする企業グループ。子会社では医療機器販売も手がけ、海外での医療介護施設の開設も行なっている。2015年には不動産開発大手のヒューリックと資本業務提携し、医療関連施設の立て替えの際のノウハウ提供で協業を発表した。