「認知症のBPSD症状を緩和させる」医療機器の共同研究開始

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大日本住友製薬と神奈川県の医療ベンチャーAikomiは、認知症の行動・心理症状(BPSD)を緩和させる医療機器の開発および事業性の検討を目的として共同研究契約を締結したと発表した。感覚刺激を通じた非薬剤のアプローチで、症状緩和を期待できるか研究する。

感覚刺激でBPSD症状の緩和を目指す

認知症ケアにおいて、認知症の中核症状だけでなく、それに起因する焦燥性興奮、不安、攻撃性、うつ症状、無関心、幻覚、妄想などのBPSD (Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia、行動・心理症状)への対応は、ときに大きな困難を伴う喫緊の課題だ。運動療法や環境調整、家族や介護者による回想法や音楽療法などの心理的介入といった非薬物療法が第一選択肢となっているが、より日常的な認知症ケアに広く活用できる、効果的な非薬物療法の開発が必要とされている。

Aikomiは、このアンメット・メディカルニーズに焦点を当てる医療ベンチャーだ。昨年の設立以来、デジタル機器を通じた視覚・聴覚・嗅覚などの感覚刺激を提供することで、BPSDを緩和させる独自の技術プラットフォームの開発に取り組んでおり、現在、基礎的な有効性を検証している段階。大日本住友製薬は近年、医薬品以外のヘルスケア領域を「フロンティア領域」と捉え新事業開拓に意欲を見せており、今回、共同研究を進めることになった。具体的には今後1年で、デジタル機器を通じて個人の症状毎に最適な感覚刺激を提供する機械学習機能の開発などを行い、その後共同開発契約を締結するか否かを決定する。

 

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