【年度末企画】2019年の医療政策を読む(2)J-startup関連

REPORTAI,IoT,医療ICT,医療IT,経済産業省

 

先週、通常国会で平成31年度予算が成立した。各省から発表された資料には、今年から来年にかけての国の医療政策がまとめられている。年度末企画として、各省庁から発表されている資料より、医療・介護・ヘルスケア、そしてITに関連する予算措置を、新しい動きを中心に総覧する。今回は経済産業省が管轄する「J-startup」関連の予算措置をみる。

J-Startup

 

経済産業省が「世界で戦い、勝てるスタートアップ企業」を支援するとして開始した「J-Startup」事業にはすでにバイオ関連、医工連携、AIなどで多くの企業が選定されている。平成31年度も選定企業への支援を中心にいくつかの事業が組まれているので紹介する。

既存選定企業への支援

経済産業省資料より http://www.meti.go.jp/main/yosan/yosan_fy2019/pr/ip/sansei_04.pdf

エコシステム強化事業は、昨年選定した企業を支援するためのもので、Webサイトに記載されている支援を行うと推定される。

経済産業省資料より http://www.meti.go.jp/main/yosan/yosan_fy2019/pr/ip/shosa_03.pdf

この継続事業は地域における、地域包括ケアシステムの間接的な支援、特に民間企業の公的保険外サービス(いわゆるヘルスケア)の創出・成長支援を促すもの。具体的には全国で組成・運営されている「地域版次世代ヘルスケア産業協議会」の活動を支援する。イベント開催で止まっているものも多いが、中には具体的事例をあげれば、先の資料に記載されている団体の中でリビングラボ事業を行っているものもある。直接的な支援スキームではないため、支援を受けるには各団体に加入する必要があることが多い。

経産省資料より https://www.meti.go.jp/main/yosan/yosan_fy2019/pr/ip/sangi_10.pdf

個別領域での支援としては、経産省・厚労省共同で市場創出・強化を目指しているロボティクスの介護分野への応用があげられる。NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)、AMED(日本医療研究開発機構)を通じて機器開発を支援するが、J-Startup選定企業は審査時に加点される。

起業・成長支援

この取り組みは選定済企業へではなく、今後選定されうるような企業を支援するためのメニュー。NEDOが行っている事業をJ-Startupの観点から補強するものだ。

次回は同じ経産省管轄のNEDO、AMEDの事業に関する予算措置を取り上げる。

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