慈恵医科大学とエルピクセル、AIで大腸内視鏡検査中にポリープ検出支援 陽性的中率91.2%
東京慈恵医科大学とエルピクセルは、大腸内視鏡検査中にリアルタイムでポリープを検出し、その組織診断を予測することが可能な人工知能技術(AI)を用いた検査支援システムを開発したと発表した。大腸ポリープの検出感度98%、陽性的中率91.2%を達成しているという。
検出感度98%、陽性的中率91.2%
このシステムは東京慈恵医科大学内視鏡科の炭山和毅教授と、医用向けAI構築で多くの実績を持つエルピクセルが共同で開発したもの。アルゴリズムの構築には約5万枚の大腸ポリープ画像を使用しており、形状・大きさや組織診断によらず、あらゆる大腸ポリープに対応するとしている。大腸ポリープの検出感度98%、陽性的中率91.2%を達成し、内視鏡専門医であっても発見が容易ではない平らなポリープや微小ポリープに限定した場合でも、感度93.7%、陽性的中率96.7%の高精度で検出が可能だという。この研究結果は、2018年5月11日に開催された第95回日本消化器内視鏡学会総会シンポジウム、および米国消化器病週間(DDW: Digestive Disease Week)にて2018年6月2日に発表されている。
2019年度に本格的な臨床試験へ
このシステムはすでに東京慈恵会医科大学附属病院の内視鏡室に設置され、臨床現場での評価に基づいたさらなる改良に取り組んでいる。来年度はさらに国立研究開発法人国立がん研究センターと共同で臨床試験を行い、本システムの有効性の確認を進める。