京都大学とRist、放射線治療の迅速化・省力化に向けたAI構築で共同研究
人工知能構築などを行うRistは、京都大学大学院医学研究科(准教授:中村光宏)と共同で、CT医用画像に対するAIを活用した画像処理技術を構築し、放射線治療業務の一部自動化に関わる共同研究を開始すると発表した。
放射線治療業務に必須な「コンツーリング」をAIで自動化へ
医用画像を扱う医師の業務の中には、画像を確認し疾患の発見などを行う診断業務の他に、がんに対する放射線治療業務がある。放射線治療の工程は、CTシミュレーション・治療計画・プランチェック・治療に大別されるが、治療計画時に、何百枚にもなるCT画像に対して病変と周辺臓器の輪郭を入力していく「コンツーリング」という膨大かつ煩雑な作業があり、これが医師の負担になっている。そこで両者は、AIによりこの作業を半自動化するソフトウェアの研究開発に取り組んでいくという。
なおRistは京都大学出身の遠野社長が2016年に設立した、AI構築を主なサービスとするベンチャー。医療分野ではこれまで、広角眼底画像の画像診断AIについてクリニックと共同研究を行っており、同画像による網膜剥離、緑内障、加齢黄斑変性の判定においていずれもAUC94%以上、最大99%という高精度な成果をあげている。