厚労省、ゲノム医療の国家的コンソーシアム設立を表明 2017年夏にも
塩崎厚労相「オールジャパンで取り組む」
2016年12月27日、厚生労働省と国立がん研究センター、国会がん患者と家族の会は共催で「がんゲノム医療フォーラム2016」を開催した。「がんとの闘いに終止符を打つ」と銘打ったこのフォーラムは、都内の会場での模様を国内のがん診療連携拠点となっている10カ所の病院へ同時中継された。フォーラムの最後に挨拶した塩崎恭久厚労相は、「がん医療に革命をもたらすプロジェクト」として、オールジャパンで取り組むゲノム医療のコンソーシアムを来夏にも設立すると表明した。
ゲノム解析にAI活用も
コンソーシアムの具体的な内容は明かされていないが、挨拶の中では全省庁が一体となって日本人のゲノム情報のデータベース構築、遺伝子解析技術やAI(人工知能)を活用したゲノム医療基盤の開発などに取り組むと表明した。民間も巻き込んだ国家プロジェクトとして推進する考えだ。
今回表明されたコンソーシアムとは直接的には関係しないと見られるが、フォーラムを共催した国立がん研究センターは、先月産総研、PreferredNetworksと「AIを活用した統合的がん医療システム」の研究開発開始を発表している(既報)。クロスオーバーするこの動きとの相乗効果も期待したいところだ。