特定保健指導にピアサポートアプリを導入する初の臨床研究 東海大、エーテンラボら
特定保健指導にデジタルソリューションを取り入れ、効果検証する研究が実施されていることが明らかになった。アプリ上で5人1組となり、食事療法の継続や生活習慣の改善をユーザー間でサポートし合うアプリ「みんチャレ」を展開するエーテンラボと東海大学医学部が発表したもので、アプリを導入した群と非導入群における体重変化と行動変容について、ランダム化比較試験で検証するという。
特定健診で『積極的支援』となった対象者に実施
2008年度より始まった特定健診、またその結果に基づいて対象者に実施される特定保健指導については、これまでの検証で一定の効果が認められるものの、完了率が2割弱にとどまるなど課題も指摘されている。複数の要因が考えられるが指導の担い手不足も要因として大きく、デジタルソリューションへの期待も大きい。今回、生活習慣病の病態改善において、アプリ上でユーザー同士が助け合う「ピアサポート」の枠組みを導入し成果を挙げている、エーテンラボの「みんチャレ」を特定保健指導に取り入れ、その効果を検証する臨床研究が東海大学の研究チームにより行われていることが明らかになった。
具体的な研究の枠組みとしては、東海大学医学部総合診療学系 健康管理学 教授 西﨑泰弘(医学研究科ライフケアセンター センター長・医学部付属東京病院長)の研究チームが、女子栄養大学 津下 一代特任教授の協力でプロトコルを策定した上で、以前より協力関係にあるアマダ(神奈川県伊勢原市)の従業員で、特定保健指導(積極的支援)の対象となった社員に「みんチャレ」を活用。ランダム化比較試験の手法で、体重変化と行動変容が見られるかを検証する。
研究チームの西﨑泰弘教授は「2019〜20年に行った、糖尿病予備群から軽度糖尿病の人を対象とした『みんチャレ』を活用した臨床研究では、『みんチャレ』を使用した人たちのほうが平均歩数が有意に増えていた。今回は、メタボ健診に『みんチャレ』を使用することで健康行動が発生・定着し、結果、体組成の改善がみられるかについて検討する」と述べている。