阪大発ベンチャーの脳波AI解析サービスが実用化 SaaS型で契約期間内に何度でもデータ解析可能
⼤阪⼤学発ベンチャーのPGVは、脳波データをAIで解析するサービス「NAIS Entry」の正式サービス開始を発表した。SaaS型で解析作業自体はリモートで行われるが、計測キットと解析にあたってのミーティングもセットとなっている。同社では、客観的な評価・検証を簡易に実現することで、民間企業及び大学等の研究開発活動を支援するとしている。
計測キットからアプリで脳波データアップロード、AIで解析
同社が開始したサービス「NAIS Entry」は、これまで扱いづらかった脳波計測と脳波データの処理・解析を、より簡易に、より低コストで実施することを可能にしたものだという。従来の脳波試験・解析では試験計画~脳波計測~脳波AI解析に至るまで数ヵ月、費用も数百万円以上かかるが、同サービスは期間契約のため比較的低コストで導入でき、また一定条件のもと契約期間中なら何度でも解析が可能。サービス利用も簡単なフローとなっており、ユーザーは脳波試験キット、アプリを活用して脳波データを採取、同社のサーバへ送るだけとなっている。
同社から送られるのは、同社が独自に機械学習で構築したAIアルゴリズムによる解析結果レポートと、特徴量の数値を1秒単位で記録したデータセット。解析精度については、認知症の判定あるいは鑑別において、健常者と認知症の判別能は76%、アルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症の鑑別能は77%という論文が出ている。またデータセットを使えば自身で解析することも可能だ。
同社では精度と利用簡易性を両立した脳波センサの開発、ならびに今回のサービス提供を通じ、企業、大学、研究機関による脳波データの活用⽀援を強化していくとしている。