フィリップスが仙台に医療・ヘルスケア共創拠点を開設 仙台市、東北大学とも協働へ
2019年5月28日、フィリップスは仙台に設置した医療・ヘルスケアの共創施設「Philips Co-Creation Center」のオープニングセレモニーを行なった。様々なIoT機器などを設置し、多くの企業とソリューション開発を行う。仙台市や東北大学ともそれぞれに契約を締結し、この地域におけるヘルステックの取り組みを加速させる。
60余の企業と共創、仙台市や東北大学とも
セレモニーには村井嘉浩宮城県知事、郡和子仙台市長のほか、経済産業省の江崎禎英政策統括調整官も出席。期待の大きさをうかがわせた。センターには多くのIoT機器、3Dプリンタなどを揃え、試作品制作などのエンジニアリングプロセスも行えるよう整備するという。
自治体、地元アカデミアとの取り組みも強化する。昨年には東北大学と包括的提携契約を結んだほか(既報)、5月27日には仙台市が公募していた「HealthTech推進事業」のパートナーとして採択されたことも発表。地域のプレイヤーを多く巻き込み、産学官の横断的イノベーションの拠点として成長させる目論見を描いている。
現下のプロジェクトも紹介 AR活用で低侵襲治療
またこの日は、同社とマイクロソフトが共同で開発したIGT(イメージガイド下低侵襲治療)技術のプレゼンテーションも行われた。体内に鉛筆の先ほどの穴を通して小さなデバイスを挿入し、その操作をナビゲーションするものだという。治療の際、医用画像等はマイクロソフトのMRスコープHoloLensを通して閲覧する。術野付近から目を離すことなく、必要な情報を音声認識や視線追跡で随時切り替えて見ることができるシステムだ。フィリップスのグローバルチーフメディカルオフィサー、アトゥール・グプタ氏はこのシステムについて「患者が治療を受ける時間を短縮することができれば何より患者のためになる」と意義を語った。
同センターではすでに60あまりの企業と提携契約を結んでいるが、今後その数も100程度まで増やし、日本の医療現場に立脚したソリューションや健康・予防に貢献するサービスモデル、ヘルステックに関する研究開発、事業化を加速していく予定だ。