サスメドの不眠障害治療用アプリ、医療機器製造販売承認取得

 サスメド(東京都)は、以前より申請していた同社の不眠障害治療用アプリについて、医療機器製造販売承認を取得したと発表した。同アプリは不眠症に対する認知行動療法(CBT-I)を実現するもので、今後国内での上市および保険適用を目指す。

治験結果を報告した論文より

 不眠障害の治療法は日本においては主に薬物治療が選択されているが、世界的には睡眠衛生指導、不眠症に対する認知行動療法(CBTI)なども症状に応じて選択されており、米国では医薬品に依存しないCBT-Iを不眠症治療の第一選択として推奨しているほか、英国でもガイドラインで推奨される状況となっている。しかし、CBT-Iを実施するには時間をかけた指導が必要であり、日本では医療現場の人員不足等から普及していない。

 今回承認された同社の治療用アプリは、9週間にわたって患者に対しアプリから様々な指示を行うことで治療効果を目指すもので、経過については主治医向けの管理システムを通じて確認できる。承認申請に先立って行われた治験では、175人の患者を対象とした検証で、不眠障害の重症度スケールであるAISにおいて有意に効果が認められている。同社は今後上市と保険適用を目指す予定だが、販売体制については2021年12月に塩野義製薬と販売提携契約を締結しており、上市後の積極的な普及を視野に入れている。

論文リンク:Effect of smartphone-based cognitive behavioral therapy app on insomnia: a randomized, double-blind study(SLEEP)