矢野経済研究所、2019年度に遠隔医療市場が約200億円に拡大と予測
2017年9月14日、矢野経済研究所は遠隔医療の市場調査の実施結果を発表し、2015年度の約122億円に対し、2019年度には市場全体で約200億円に拡大するとの予測を示した。特に遠隔診療の分野では、来年度の診療報酬改定の行方をにらみ市場拡大が急速に進むとしている。
遠隔画像診断がこれまでの市場拡大を牽引するも、今後は遠隔診療市場が成長の主体へ
調査では遠隔医療市場を遠隔画像診断、遠隔病理診断、遠隔診療、遠隔健康管理の4つに分けてそれぞれ分析している。遠隔画像診断は、以前は市場全体の成長を担う伸びであったが、事業者数も多くなりすでに成熟期に入っているとした。病理診断分野では、術中迅速病理診断のニーズが増加していると分析、中期的には増加傾向を迎えると予測。遠隔診療は2015年の厚労省の通知により事業者数が増え、今後は診療報酬のプラス改定も期待されることから急速に市場拡大するとの見方を示した。遠隔健康管理については、従来は山間部や離島などのへき地での実施にとどまっていたが、2017年度をもって特定保健指導における遠隔面接の事前届が廃止となるため、地域にとらわれず幅広く、保険者による実施が見込まれるとした。
2015年度からの伸び率急伸、約122億円から約200億円へ
調査では市場全体の伸びも急拡大するとしている。2015年度の市場規模は122億6,900万としたが、その後の伸びは2017年度に約114%、2018年度は約119%と成長が加速し、2019年度には199億600万円に達すると予測している(いずれも矢野経緯剤研究所の推計)。