千葉県薬剤師会、災害時に要支援地域を視覚的に把握できる「eST-aid」の運用を開始

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千葉県薬剤師会は、2018年11月よりエストが開発した災害時の迅速な人命救助を支援するシステム「eST-aid(エストエイド)」の運用を開始する。薬剤師会ではこのシステムの利用で、発災時に地域薬剤師会に対し迅速かつ適切な支援を行うことができるとしている。

地図上で視覚的に対応状況を表示

災害時、都道府県薬剤師会が対応すべきことは多岐にわたるが、その中でも重要なものとして、全地域の被災状況や地域薬剤師会の災害対応状況を迅速に把握することが挙げられる。これらの情報がなければ、各地から集まる救護支援者や支援物資を必要とする地域に適切に分配できない。

しかし一方で、これらの情報を迅速に収集するのは難しい。地域薬剤師会にとって、目の前の災害対応を行いながら都道府県薬剤師会に対して報告を行うことは大変大きな負担となる。エストが開発した「eST-aid」の都道府県薬剤師会向けに以下の機能が備わっており、地域薬剤師会災害対策本部・救護所薬剤師班・薬局の情報を整理された状態で迅速に把握できるという。

[支援者をどこに優先的に派遣すべきか判断するために必要なこと]

  • 地域薬剤師会の災害対策本部の立ち上げ状況の把握
  • 都道府県内にある全ての薬局の被災状況の把握
  • 域内の救護所の設営状況の把握
  • 地域薬剤師会とのコミュニケーションツール

[都道府県薬剤師会のBCPの観点から必要なこと]

  • 役職員の安否確認や参集確認

なおeST-aidは東京都江戸川区薬剤師会と共同開発された災害時情報共有システムで、薬剤師会、医師会、歯科医師会、及び自治体のそれぞれで、人的および物的リソースや被災状況等の情報を一元管理できるという。移動薬局車両「モバイルファーマシー」においても活用可能で、関東で唯一保有している千葉県八千代市薬剤師会にも採用されている。

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