Google傘下の英DeepMind、乳がんマンモグラフィー画像鑑別で専門医を上回るAI開発

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 Google傘下のAI開発企業、英DeepMindが医師を上回る鑑別能力を持つAIを開発した。1月1日付で英の有力科学誌に論文を掲載し、同社が開発したマンモグラフィー画像を鑑別するAIが、専門医との鑑別結果と比較して偽陽性、偽陰性においていずれも数パーセントの改善を達成したと報告した。

英米それぞれの病院所有画像の鑑別結果と比較

 同社は現在様々な分野における画像診断AIの研究を進めているが、今回発表された論文は乳がんの定期検診時の放射線画像の鑑別結果とAIを比べたものだ。英国内では25,856人、米国内の3,097人のマンモグラフィー画像(匿名化済)を対象に、AIと専門医(放射線画像読影医)の鑑別結果を比較した。なおそれぞれの検査・読影体制は異なっており、英国では3年ごとの検査で読影医によるダブルチェック体制、米国では2年ごとの検査で1人による読影である。

  英国症例との比較では、偽陽性を1.18%、偽陰性を2.70%減少させ、米国症例との比較では偽陽性5.70%、偽陰性を9.40%減少させたと報告している。また英国では2人の読影医の意見が異なった場合3人目が鑑別を行うが、AIは読影医2人の鑑別とほぼ同等の能力を示し、シミュレーションの結果2番目の読影者の業務負担を88%軽減したとしている。DeepMindはこのことは、読影医の人手不足が叫ばれる英国において非常に意味があり、さらなる臨床試験への足がかりになる、とコメントしている。

外部リンク:(PDF)論文「International evaluation of an AI system for breast cancer screening」

 

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