愛知医科大、日本臓器製薬、FRONTEOヘルスケア「疼痛診療支援AIシステム」の実現に向け研究開始

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2017年5月8日、愛知医科大学と日本臓器製薬株式会社、株式会社FRONTEOヘルスケアは、愛知医科大学の学際的痛みセンターの集学的診療のノウハウをKIBITに学習させ、複雑な慢性痛の診療を支援する「疼痛診療支援AIシステム」の開発に向け共同研究を開始したと発表した。

 

愛知医科大が持つ「慢性痛の集学的診療」の知見をAIに

愛知医科大学は、当時国内初の集学的な治療・研究施設「学際的痛みセンター」を創設したことで知られる(現在では中核病院16施設に疼痛治療のセンターが開設されている)。年間のべ7,000人近くに医療を提供し、集学的医療としての様々なノウハウを蓄積している。

一方で、集学的治療の課題として1人の患者を診るための時間と人員コストが指摘されている。痛みの集学的治療においても、整形外科医、麻酔科医、精神科医、看護師、理学療法士、臨床心理士が1人の患者に対応する。今後の高齢化にともなう慢性痛患者数の増加を考慮すれば、集学的診療の利点を維持しながら、効率的かつ適切な診療を行なえるシステムの開発が求められる。今回の共同研究では、痛みセンターの集学的慢性痛診療チームの診断・治療スキルをAIに学習させることで、痛みの原因が不明瞭で、慢性化したあるいは慢性化する恐れのある患者に対して的確な診断を行い、いち早く痛みの改善に繋がる適切な治療に移行するための支援システムの構築を目指す。

 

リリースより:今回活用するFROTEOヘルスケアのAI「KIBIT」の活用イメージ

 

共同研究の第一段階として、患者の過去のカルテ情報における特徴をKIBITに教師データとして学習させ、KIBITの解析による痛みの重症度判定と、集学的診療チームの判定結果との相関性・同等性を指標に学習アルゴリズムの最適化を検討する。本研究では、愛知医科大学が秘匿化・匿名化した痛み患者のカルテ情報の特徴及び集学的診療ノウハウを提供し、FRONTEOヘルスケアはKIBITによる解析を担当、日本臓器製薬は新事業分野として研究を援助・支援します。本研究は1年を目途に完了し、診断支援機器としての製品化へ向けた開発に進む予定。

 

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